前回のブログでお話ししたテロドローン対策について
読者の方から情報を頂きましたので、追加でご紹介致します。
◆フランス空軍が不審ドローンを鷹で捕まえる!
http://www.franceplusplus.com/2017/02/france-aigles-drones/
かなり訓練されていて現実的に有効な手段であることが動画から推察されます。
ケガなど心配になると同時に、大型の鷹の力強さも感じます。
◆自動運転バンは配達ドローンの移動基地
http://jp.techcrunch.com/2017/03/01/20170228fords-new-self-driving-van-concept-is-like-a-rolling-hive-for-delivery-drones/コンセプトモデルながら攻守ともに有効な手段として使用される可能性はありそうです。
実用化まで時間はかかりそうですが、AIによる犯罪防止のための予知判断材料となる新たなアルゴリズムや管理手法の必要性を感じます。
さて、今回の本題に入ります。
【複数のテロドローンが飛来してきたら】
少し前になりますが、中国の春節イベントで1000機のドローンが一斉に飛行したという記事が話題になっていました。
http://www.bbc.com/japanese/video-38952799
テロドローンでいきなり1000機が飛来したら…
1000機というのは離陸準備させている間に不審通報がすぐに発生するでしょうし現実的ではないかもしれません。
テロ行為であるなら5機くらいで十分かもしれません。
例えば仮に時速40km/hで飛行してくるテロドローンは、10秒で約110m飛行します。
そのスピードで、4台が東西南北4方向からアクセスし、且つもう1台が上空から垂直に急降下する。
監視するドローンを複数にしても、10秒程度で対処できそうでしょうか?
応えはノーです。
当社で開発していたドローンの中には親亀子亀ドローンなどもありました。ドローンの中にもう1台のドローンを積んでいるドローンです。ドローンが分離した場合には、5機が大小合わせて10機になります。
数が多ければ多いほど捕獲が困難なのは言うまでもないでしょう。
また、テロの種類は様々です。
飛行用のプロペラは地上に向かって風を起こしていますので、例えば、化学兵器の噴霧・拡散などは容易です。
こうしたテロに瞬時に対応しなければならないのです。
【複数のテロドローン対策は?】
複数のテロドローンが飛来した場合。
今のところ複数の人間が地上から対処する他に、ドローン同士がお互いに通信し合いながら協調制御をなしている場合に限り、
協調制御を一瞬で反協調制御に誘導してしまうことも可能です。お互いを衝突させてしまう。
これはハッキングに近い手法となります。
以上のとおり、鷹による捕獲、人間による特殊捕獲器、ドローンによる捕獲、通信技術を使用したあらゆる捕獲方法を試行しながら、強風下、悪天候、海上などの環境下での実運用に耐えうるようにするには時間が掛かります。
2020年はもうすぐです。
すぐにでも対策に取り掛かる必要があります。
【ドローン自体にも危険性がある】
最後に、テロ対策から少し話はそれてしまうのですが、
ドローン自体にも危険性があることを語っておきたいと思います。
ドローンのプロペラは超高速で回っています。
鋭利な刃物が回っているようなもので、間違って指に当たれば切断事故にもなるくらい危険です。
先日、工事現場でドローンが落下し怪我人が出るという事故が起きたというニュースを耳にしました。
顔を数針縫うけがをされたとのことでしたが、目に当たっていたら失明などもありますから本当に危険です。
また、危険なのはプロペラだけではありません。
ドローンにはリチウムポリマー電池が搭載されており、ドローンが落下し地面に衝突した際などに起こる強い衝撃により、破損し爆発するおそれがあります。最近のドローンは高出力化が進んでおり、バッテリー容量が大きくなっているため、爆発した際のエネルギーもかなり大きくなってきています。
一方で、リチウムポリマ―電池の3倍以上の充電速度を持ち、破損しても爆発の危険がない電池も存在します。
多くのドローンにはホビー用のバッテリーが使用されていたり等、危惧するところが多いです。
安心安全な産業用途のドローンをつくるには、”何を採用するか”も重要な視点となってきます。
次回は、安心安全なドローンをつくるために必要な電池についてお話したいと思います。