Vol.7 ドローン用燃料についての考察

  • 2017.4.2

今回は引き続きドローンの燃料について考察してみようと思います。

【ドローンの動力源用の燃料について】
2017年3月12日、関西の河川敷にラジコンヘリが墜落して河川敷の下草など23haが焼けたというニュースがありました。
動力源の燃料が液体燃料(小型エンジン)なのか、バッテリー(電動モータ)なのかは不明ですが、いずれにせよ落下した際の安全性は担保されるべきで、まして産業用途だったとしたならば原因も含め企業が原因究明に当たらないとならないレベルになります。
様々な用途に向けたドローンの運用試験などが活発に行われていますが、そろそろ行政もドローンの燃料に関する規制をよりブラッシュアップしていくべき時ではないでしょうか。
ドローンの動力源の燃料がガソリンであろうとバッテリーであろうと、落下などで強い衝撃を受けた場合、燃料が漏れない、爆発しないように安全な措置が必要です。例えば軽量且つ強度のある材料で作った箱に格納しておく、漏れると同時に中和するなど措置が取られていると安全です。
弊社の開発しているバッテリーは釘を打ち込んでも爆発しません。酸化反応によりバッテリー内部の材料特性が変化するため爆発が起こりません。

【ガソリンで飛ぶドローン】
最近では、ガソリンエンジンで飛行を可能にしたドローンも開発されているようですが、ガソリンエンジン式ドローンは期待が持てると考えます。ガソリンの格納方法などについては自動車産業から学ぶことができますし、バッテリーの充電時間と比較しますと、ガソリン式はタンクを交換する数十秒、またはガソリンを充填する数分間でよいのです。技術的課題も少ないので農作業などパワーが必要な用途に最適ではないでしょうか。
このように使用目的に応じて駆動源も様々なドローンが世に出てくることになると思います。

【リチウムイオン電池に関する規制をドローンにも】
ここでバッテリーと呼んでいるのはドローンに採用されているリチウムイオンポリマー電池(通称Lipo、リポ)のことです。現在ドローン用として中国より輸入されています。PCや携帯電話にも使用されており過去には発火の危険性あり、とリコールが発生した記憶も新しいです。リコールの原因は、異物である金属粉などが混入した事などで、落下とは別になりますが、やはり不安定なバッテリーだなという印象を受けます。
規制について調査してみますと、リチウムイオン電池の規制に関する経産省の資料を見つけました。これらは様々な用途に使用するリチウムイオン電池の規制であり、ドローン用のバッテリーは対象の規制にはなっていません。ドローンはラジコンから産業用途にまでになっているので、これくらいの規制は必要と考えます。ドローンを対象にした規制も付記しやすいのではないでしょうか?

◆リチウムイオン蓄電池 基本設計
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/kaishaku/gijutsukijunkaishaku/beppyoudai9.pdf
◆平成19年リチウムイオン蓄電池の規制対象化
http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g71212d04j.pdf#search=%27%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%94%A3%E6%A5%AD%E7%9C%81+%E3%83%AA%E3%83%81%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%B3%E9%9B%BB%E6%B1%A0%27
◆リチウムイオン蓄電池の特別承認制度について
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/tetsuduki_annai/reigai/lithium_tokubetsu.pdf

【ドローンレース】
ここでポジティブな話題を。
ドバイで実施された国際ドローンレース (youtube等で ドローンレース ドバイ と入力すると動画がたくさん見られます)。
これは、ドローン業界の中でF1レースのようなもので、賞金は1億円に上るとか!技術力を示すこと、技術向上するにはここに参加し、高性能バッテリーを供給するなど目標にしています。